[要点整理] ・当期純利益伸び率=(当年度当期純利益−前年度当期純利益)÷前年度当期純利益 ・当期純利益伸び率は、前期と比較した当期の利益の伸び率を表しています。
当期純利益伸び率とは?
当期純利益は会社の最終的な利益であり、当期純利益伸び率は、前期と比較した当期の利益の伸び率を表しているので、会社の最終的な成長力・収益力を見ることができます。
当然、この当期純利益伸び率はプラスが大きいほどよいということになります。 ただし、その前の営業外損益や特別損益にも気を配るようにしてください。
当期純利益伸び率を使った分析?
当期純利益伸び率がプラスであるからというだけで、その企業が成長力があると判断するのは危険です。
当期純利益が期間比較で伸びているのに、営業利益や経常利益が伸び悩んでいる企業には要注意です。これは、特別損益項目にそのカラクリがあります。
上場企業の場合は、株価維持のために決算対策を行い当期純利益を確保するということが多々あります。 この決算対策というのは、所有している投資有価証券や不動産の中で含み益があるものを、決算日前に売却して、特別利益として計上することです。
これは、本来の会社の業務とは関係ない利益ですから、たとえ1株当たりの当期純利益(PER)が高くても、本来の会社の成長力とは異なるということを読みとらなくてはなりません。
短期的には決算対策で当期純利益を確保することはできても、含み益のある資産にも限りがありますので、いつまでも続けることはできないからです。
なので、営業利益と当期純利益との差が大きい場合には、その原因は何かをしっかり分析する必要があるのです。
反対に、当期純利益が赤字の会社でも、将来の損失を前倒しして計上している場合には、長期的に見れば成長性を期待できる会社ということができます。 具体的には、棚卸資産評価損、減損損失、投資有価証券評価損などです。
当期純利益伸び率を投資の判断指標として用いる場合には、単独ではなく、段階的な各利益(営業利益、経常利益、特別利益)もしっかり分析するようにしましょう。
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