[要点整理] ・総資本増加率=(当年度総資本−前年度総資本)÷前年度総資本 ・自己資本増加率=(当年度自己資本−前年度自己資本)÷前年度自己資本
総資本増加率とは?
総資本増加率は、前年度と比較して総資本がどれだけ増えているかの指標です。総資本は、負債と資本の合計であり、会社の総資産と同じものです。
企業としては、事業の拡大とともに資産も増えていることが望ましいですので、この指標は高いほど成長率が高いといえます。反対にマイナスであれば、事業が停滞している可能性があります。
ただし、この指標だけでは、借入金が増えているために総資本が増えている場合にも高い指標が表れてしまいます。総資本増加率が借入金(他人資本)で増えている場合は、いつかはそれを返済しなければならないので、経営の安定度としては低いといえるでしょう。
なので、自己資本がどれだけ増えているのかもあわせてみるために、「自己資本増加率」もみるようにします。
自己資本増加率とは?
自己資本増加率は、会社が返済する必要のない資本(自己資本)が前年度とくらべてどれくらい増えたかを表した指標です。この自己資本は、返済する必要がなく会社が自由に使うことができるお金なので、多ければ多いほど経営が安定します。
自己資本は、会社の利益から法人税や事業税などをマイナスした当期純利益から、さらに株主への配当金をマイナスしたものを毎期積み立てることによって増えていきます。また、増資をしても自己資本は増えていきます。
よって、自己資本増加率は高い方がよいのですが、自己資本増加率が高いということは、それだけ利益を蓄えたり、新たに増資をして資金を調達しているということができます。
結果として、自己資本増加率が高い会社は財務状況が安定しているのに対し、低い会社は財務状況が不安定であるということができます。
上記の総資本増加率との関係で見ると、会社の総資本の伸び率以上に自己資本増加率が伸びていれば、会社は安定して成長しているといってよいでしょう。
反対に、自己資本が伸びていないのにもかかわらず、総資本だけが伸びている会社は、経営の安定度に問題があるということになります。
株式投資をする際には、総資本増加率と自己資本増加率がともに高い会社を選択するのが理想的です。
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