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固定資産長期適合率とは?

[要点整理]
・固定資産長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)
・原則として、固定資産長期適合率は100%未満でないと危険です。




固定資産長期適合率とは?

固定資産長期適合率は、固定資産を自己資本と固定負債を足したもので割った指標です。
この指標は、固定資産を購入する資金が自己資本と長期返済の負債で、どのくらいまかなわれているかを表します。

設備投資資金は、長期間でゆっくり回収していきますので、これを短期の借入金などでまかなうことは、会社の財務状況を圧迫します。

長期にわたって返済する借入金であれば、設備投資に使ったとしても、償却額にあわせて借入金の返済ができますので、財務的にも安全であるといえます。

この固定資産長期適合率が100%の状態は、返済の必要のない自己資本と長期借入金で、固定資産のすべてがまかなわれていることを意味しますので、原則としては、固定資産長期適合率は100%未満である必要があります。

固定資産長期適合率の目安は?

固定資産長期適合率が100%以上の場合は、固定資産の調達資金を短期借入金でまかなっている状況にありますので、1〜2期の一時的なものであれば問題ありませんが、それ以上連続していると財務安全性に問題のある会社ということになります。

原則としては、固定資産長期適合率は100%未満が望ましいです。ちなみに、日本の企業の全業種の平均で約80%強とされています。

また、たとえ固定資産長期適合率が100%未満であっても、借入金の返済額が減価償却費の1年間の合計額より多いというような、借入返済のスピードが速い場合には、その分を長期の借入金でまかなうことになりますので、財務の安全性が高いとはいえませんので注意が必要です。


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