[要点整理] ・固定比率は、固定資産がどれだけ自己資本でまかなわれているかを表す指標です。 ・100%未満であればすべてを自己資本でまかなっていることになるので、財務は安全性が高いといえます。
固定比率とは?
固定比率というのは、固定資産を自己資本で割った比率のことです。簡単に言うと、固定資産に投資された資金がどれだけ自己資本によってまかなわれているかを表す比率です。
固定資産に投下された資金というのは、商品などのように販売して現金化されるものでなく、減価償却というルールに従ってゆっくりと回収されるものです。なので、これを短期に返済しなければならない借入金などでまかなってしまうと、会社の財務は極めて不安定になってしまいます。
お金を返済する必要のない自己資本で固定資産がまかなわれているのであれば、会社の資金繰りも余裕となり経営も安定します。
固定比率の目安は?
この固定比率が100%未満であるということは、固定資産へ投下された資金はすべて自己資金でまかなわれているということを示しています。
なので、財務的安定性という観点からすると固定比率は100%未満であればよいということになります。
反対に、固定比率が100%以上ということは、固定資産に投下された資金は自己資本だけでは足らず、その一部を有利子負債などでまかなっているということができます。
この有利子負債が短期借入金などの場合には、財務的には不安定な状態にあるといえます。 このような場合、営業活動によるキャッシュフローがかなりプラスの状態にあればよいですが、そうでない場合には、固定資産をリースバックするなどして、財務内容の改善を図るなどしていく必要があるかもしれません。
※リースバック…所有している固定資産をいったんリース会社などに売却し、その後その資産をリースによって利用する仕組みのことです。
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